性と向き合う(全3本)

セクシャリティーの多様性を表すLGBTQ+
 
昨今のトレンドワードになっている、性的少数者の総称「LGBTQ+」。正しく理解している人はどれくらいいるでしょうか。Lはレズビアン(女性同性愛者)、Gはゲイ(男性同性愛者)、Bはバイセクシャル(両性愛者)、Tはトランスジェンダー(性自認が出生時の性別と異なる人)、Qはクイア(定義不能)とクエスチョン(不明)、+は既存の概念にないさまざまな性のありよう、とされています。性自認や性的指向は、男と女といった画一的なものではなく、多様なスタイルを認めようという、非常にオープンな思考がベースにあります。日本では、「LGBT理解増進法」についての議論が行われていますが、何よりも私たち一人ひとりがLGBTQ+について正しく理解する必要があります。
 
西欧の価値観を取り入れたことで失われた理解
 
なぜ今、LGBTQ+についての議論が進んでいるのか。背景には西欧諸国の価値観の変化により、LGBTQ+への理解のスタンスが変わってきたことが挙げられます。元来のキリスト教的価値観では、同性愛は「自然の秩序に反する」とされていましたが、今日では同性愛的傾向は、個々の人間の一つの形とされ、認める方向にシフトしています。日本では有史以来、同性愛を受け入れてきましたが、明治維新で西欧化を進めた際に、法整備と同時に価値観も取り入れました。そのため、同性愛を異端視する風潮が生まれました。現行憲法でも結婚については第24条で「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」と規定しており、同性婚を認めていません。日本は、変化の早い他国と比べると遅れをとっているようにも見えます。
 
理解し、受け入れることが共存への道
 
社会が性的少数者を受け入れることは大切なことですが、性急な進め方により、新たな問題が生まれています。性別を「性自認」によるものとした海外の例では、女子のスポーツ競技に元男性のトランスジェンダー女性が出場して優勝するケースが頻発。公平性の論争が起きています。性転換手術をおこなっていないトランスジェンダー女性が女性専用施設に入場することも現実化しており、どこまで受け入れるのか、何をもって平等とするのかは議論が尽くされていません。本当に必要なのは法整備ではなく、マイノリティーを受容する社会であることは間違いないでしょう。日本と海外の性的少数者の生き方やコミュニティーから、さらに理解を深めてもらえる映像作品を用意しました。

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