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リア女王 ~村を巡る陽気なおばちゃん劇団~【日本初公開】

原題:Queen Lear
2019年製作/作品時間84分
撮影地:トルコ
製作国:トルコ
 
トルコの辺鄙な村々を巡る女性劇団のドキュメンタリー。舞台女優は、農民の陽気なおばちゃんたちだ。演目は、かの有名なシェイクスピアの「リア王」。壮大な悲劇のはずが、どこの村の観客席も、どっと笑いに包まれる。それもそのはず、訪れた村々で劇の展開をアレンジし、村人たちを舞台に上げて、身近な娯楽に仕立て上げるのだ。この劇団が訪れるのは、いずれもトルコの辺境地域。遊牧民たちが暮らす大草原や、危険な山道を果てしなく進む山岳地帯など。訪れた村では、演劇のほか映画の上映や影絵の上演も行っている。劇が始まる前の、村人たちとの交流も心を和ませる。彼女たちが人々に伝えようとしているのは、「女性も自分を大切に、イキイキと生きることができる」というメッセージだ。
 
監督:ペリン・エスマー 
製作:ディルデ・マハッリ  
撮影:モルテザ・アタバキ  
編集:エレン・アクス
 
女性が自分らしく生きられる社会を取り戻すために
トルコでは、イスラム教の影響もあって、長らく男性優位の価値観が社会を支配してきました。そのため、女性は抑圧され、暴力の犠牲になり、あらゆる面で不平等な立場に苦しんできました。特に、地方の農村では、時代の流れに取り残され、いまだに保守的な思想が幅をきかせており、まだまだ苦しむ女性が多いというのが現実です。しかし、ソーシャルメディアの発展などをきっかけに、社会問題に対して女性が声を上げることも増えてきました。この女性劇団のメンバーたちも、自らの苦しみを乗り越えながら、明るく陽気に、訪問先の村の女性たちを元気づけようとしています。劇団の活動を通して、彼女たちもまた、自分らしさや生きがいを取り戻しているのです。

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